娘が診断されて、私たちが知ったこと
「先天性脊椎骨端異形成症」
いとちゃんが生まれるまで、私たちはこの病名を知りませんでした。
初めて聞いたときは、
どんな病気なのか。
どんな成長をしていくのか。
歩けるようになるのか。
これからどんな生活になるのか。
分からないことばかりでした。
病名を検索すると、たくさんの症状や合併症が出てきます。
知れば知るほど安心するというより、逆に不安になることもありました。
でも、いとちゃんと一緒に過ごしてきた今だから思うことがあります。
病気について知ることと、その子の未来を決めつけることは違う。
この記事では、先天性脊椎骨端異形成症について、私たち自身が知りたかったことを中心に、できるだけ分かりやすくまとめます。
※この記事は一般的な医学情報と私たち家族の経験をもとにまとめています。症状や経過には個人差があります。診断や治療については、必ず担当の医療機関にご相談ください。
先天性脊椎骨端異形成症とは?
先天性脊椎骨端異形成症は、英語で
Spondyloepiphyseal Dysplasia Congenita(SEDC)
と呼ばれる、骨や軟骨の発達に影響する骨系統疾患のひとつです。
難しい名前ですが、言葉を分けてみると、
「脊椎」=背骨
「骨端」=腕や脚などの長い骨の端の部分
「異形成」=形成や発達に特徴があること
という意味があります。
そのため、背骨や手足の骨の成長などに特徴が現れ、低身長や身体のプロポーションの違いなどがみられることがあります。
原因は何?
典型的なSEDCは、COL2A1という遺伝子の病的な変化によって起こります。
COL2A1は、身体の中でⅡ型コラーゲンを作るために重要な遺伝子です。
「コラーゲン」と聞くと肌をイメージするかもしれませんが、Ⅱ型コラーゲンは軟骨などの組織にとって、とても重要な存在です。
そのためCOL2A1の変化によって、骨や軟骨の発達などに影響が現れます。
そして、私たちが病気について調べていく中で知ったのが、
「骨だけを見ていればいい病気ではない」
ということでした。
どんな特徴があるの?
SEDCでは、低身長や身体のプロポーションの特徴だけでなく、人によってさまざまな症状がみられることがあります。
たとえば、
・背骨や首の骨の問題
・股関節などの関節の問題
・近視などの目の問題
・聴力の問題
・口蓋裂
・内反足
・呼吸に関する問題
などが報告されています。
ただ、ここでとても大切なのは、
SEDCだからといって、これらすべてが起こるわけではない
ということです。
同じ病名でも、症状の現れ方や程度には個人差があります。
特に大切な「首」
私たちがSEDCについて知っていく中で、特に大切だと感じたもののひとつが首の骨(頸椎)です。
SEDCでは、首の骨に不安定性がみられることがあり、場合によっては脊髄に影響する可能性があります。
そのため、必要に応じて専門医による画像検査などで状態を確認していくことが重要とされています。
「見た目では元気だから大丈夫」
だけでは分からない部分だからこそ、病気について正しく知っておくことの大切さを感じました。
首については、次の記事でさらに詳しく書きます。
骨の病気なのに、目や耳にも?
これも最初は不思議でした。
Ⅱ型コラーゲンは軟骨だけに存在するものではなく、眼の硝子体などにも関係しています。
そのため、SEDCでは近視などの眼の問題や、聴力の問題がみられることがあります。
「骨の病気」という言葉だけでは分からないことが、たくさんありました。
だからこそ、整形外科だけではなく、その子の状態に応じてさまざまな診療科と関わっていくことがあります。
遺伝する病気なの?
SEDCは一般に常染色体優性遺伝の形式をとります。
ただし、「遺伝性疾患=必ず親から受け継いだ」という意味ではありません。
両親には同じ遺伝子変化がなく、子どもに新しく遺伝子の変化が生じるケースもあります。
遺伝については、家族ごとの遺伝子検査の結果などによって話が変わってくるため、専門医や遺伝カウンセリングで確認することが大切です。
このテーマも、別の記事で詳しくまとめます。
病名を知ったとき、一番怖かったこと
私たちが怖かったのは、病名そのものよりも、
「この子の未来が分からないこと」
だったのかもしれません。
検索すればするほど、
「こんな症状が出るかもしれない」
「こんな合併症があるかもしれない」
という情報が増えていきました。
もちろん、必要な情報を知っておくことは大切です。
でも今は、
未来のことなんて、その時になってみないと分からない。
そう思っています。
不安がなくなったわけではありません。
必要な検査は受ける。
注意するべきことは知っておく。
病気についても勉強する。
でも、それと同時に、
まだ起きていないことだけを見て、今のいとちゃんを見失いたくない。
とも思っています。
病名だけでは、その子の人生は分からない
いとちゃんと生活していると、
昨日できなかったことが、今日できるようになったり。
何気ないことで笑ったり。
予想していなかったことに悩んだり。
毎日いろいろなことが起こります。
それはきっと、病気があってもなくても同じなのだと思います。
医学的な情報の中には、その子がどんな笑い方をするのかも、何が好きになるのかも、どんな人生を歩んでいくのかも書かれていません。
だから私たちは、
病気について正しく知る。
必要なことには備える。
でも、病名だけでその子の未来を決めない。
そんなふうに、いとちゃんと一緒に歩いていきたいと思っています。
そしてこの記録が、
同じ病気のお子さんを育てているご家族にも、
病気について初めて知った方にも、
「知ること」のきっかけになれば嬉しいです。
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02|なぜ「首」に注意が必要なの?
― SEDCと頸椎について
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